やまさとはふゆそさびしさまさりける / 源宗于朝臣

3字決まり
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百人一首

【原 文】山里は冬ぞ寂しさまさりけるやまさとはふゆそさびしさまさりける  人目も草もかれぬと思へばひとめもくさもかれぬとおもへは

【上の句】山里は冬ぞ寂しさまさりける(やまさとはふゆそさびしさまさりける)

【下の句】人目も草もかれぬと思へば(ひとめもくさもかれぬとおもへは)

【決まり字】3字決まり「やまさ」

超現代語訳

これ、全然映えない!
いっつも寂しい場所だけど、冬はだーれも居ないし、植物たちも枯れちゃってるから、
マジ無理っす

歌のポイント

  • 数少ない冬の歌
  • 「やま The(ざ) ひとめ」で、覚える
  • ちょっと渋くて地味だから、他の99首がいい感じと思わせてくれる歌
  • 出世できない男が詠んだ歌だから、より寂しく感じる歌

歌の情景

この歌は、冬の寂しさを詠んだ歌です。
特に山里では、人の姿もなくなりそして草木でさえも枯れてしまいより多くの寂しさを感じると歌っています。冬を表す「雪」や「霜」を使わずに、こんなにも寂しい冬を漂わせています。

語意

【山里は】あまり人が住んでいない所 「は」は他と区別する係助詞
【冬ぞ】冬は特に
【まさりける】多くなる 「ける」は詠嘆の助動詞で「けり」の連体形 「ぞ」と係り結びになっている
【人目】人
【かれぬ】「枯れむ」と「離れぬ(かれぬ)」の掛詞
【思へば】思うので

歌の分類

【歌集】古今和歌集
【歌仙】三十六歌仙
【テーマ】冬の歌
【50音】や音

歌を詠んだ人物

【作者】源宗于朝臣(みなもとのむねゆきあそん)
【性別】男性歌人
【職業】官人(現代職業:官僚)
【生年】不明
【享年】940年1月5日(天慶2年11月23日)

源宗干(みなもとのむねゆき)は、平安時代の前期から中期の貴族です。15番目の歌人・第58代光孝(こうこう)天皇の孫として生まれますが、源を名乗り皇族の身分を離れました。

それなりに数多くのポジションで仕事をし、三河(現在の愛知県)、相模(現在の神奈川県)・信濃(現在の長野県)・伊勢(現在の三重県)と地方役人を歴任し、最後は警察官のような仕事をする右京大夫になりました。

多くの仕事を任されますが、なかなか出世できないこと愚痴にしたエピソードが残されており、大和物語にも載っています。三十六歌仙の一人で、勅撰集には15首入っています。