なにはえのあしのかりねのひとよゆゑ / 皇嘉門院別当

4字決まり
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百人一首

【原 文】難波江の蘆のかりねのひとよゆゑなにはえのあしのかりねのひとよゆゑ  身を尽くしてや恋ひわたるべきみをつくしてやこひわたるへき

【上の句】難波江の蘆のかりねのひとよゆゑ(なにはえのあしのかりねのひとよゆゑ)

【下の句】身を尽くしてや恋ひわたるべき(みをつくしてやこひわたるへき)

【決まり字】4字決まり「なにはえ」

超現代語訳

たった一晩過ごしただけなのに、私は一生あなたに恋焦がれなければならないの?

歌のポイント

  • 一夜のアバンチュールを後悔している切ない歌
  • 20番の歌と混乱しないようにする歌
  • 旅先で恋をしてはいけないと教えてくれている歌

歌の情景

この歌は、「旅先のホテルで出会った恋」をテーマに詠まれた歌です。旅先で出会ってしまった人と夢のような夜をたった一晩過ごしただけなのに、これから先ずっと恋しい気持ちのまま一生を過ごしていなかければならないのだろうか、と嘆き悲しんでいます。

語意

【難波江】現在の大阪湾の一部。歌枕。
【蘆のかりね】「かりね」は蘆の「仮り寝(かりね)」と「刈り根(かりね)」の掛詞。仮り寝は、旅先で仮りに寝ること。
【ひとよゆゑ】「ひとよ」は蘆の刈り根の「一節(ひとよ)」と「一夜(ひとよ)」の掛詞。「ゆゑ」は、ために。ばかりに。
【みをつくしやて】「身を尽くし」一生恋焦がれて身を滅ぼすと「澪標」航路の目印の杭の掛詞。
【恋ひわたるべき】ずっと恋焦がれながら一生を過ごさなければならないのだろうか。「わたる」は長い時間。「べき」は、助動詞の連体形。

歌の分類

【歌集】千載和歌集
【歌仙】-
【テーマ】恋の歌
【50音】な音

歌を詠んだ人物

【作者】皇嘉門院別当(こうかもんいんのべっとう)
【性別】女性歌人
【職業】女房(現代職業:キャリアウーマン)
【生年】不明
【享年】不明

皇嘉門院別当(こうかもんいんのべっとう)は、平安時代末期を生きた人物です。第75代・崇徳(すとく)天皇の奥さん・皇嘉門院藤原聖子(こうかもんいんふじわらのせいし)に仕えたました。別当とは主に物の管理をする仕事です。父は、源俊隆(みなもとのとしたか)です。

詳しいことはあまり分かっておらず、皇嘉門院が亡くなった時にはすでに出家したいたと伝わります。